第5話『ありったけの嘘を君に』あらすじ
咲太と付き合っていると勘違いされたことで、友達の好きな人から告白されるという悩ましい事態を解決できた朋絵は、このまま恋人のふりを続けてほしいと咲太に頼み込む。
麻衣に負い目を感じつつも、クラスでの自分の居場所を失うことを恐れる朋絵を放っておけず、渋々了承した咲太はしばらくの間、朋絵の嘘の恋人を演じることになり……
感想「今回の見どころは咲太の恰好良さ!」
桜島麻衣からのプレゼント

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
梓川咲太は自宅に訪れた桜島麻衣に今回の思春期症候群の事情を話します。
梓川咲太の話を聞いた彼女の反応は「ふーん、事情は分かったわ。女子高生って大変ね」と簡素なものでした。
桜島麻衣は梓川咲太の性格を考えて「私が叱ると咲太喜ぶじゃない。咲太の場合、罰を与えない方が罰になるみたいだし」と言うのでした。
しかし「恋人の振り」などという嘘は本来ならば梓川咲太が嫌いな部類のもので、何故引き受けたのかと桜島麻衣が梓川咲太に問いかけ、それに対して梓川咲太は「古賀のやつ、かえでが不登校になった時と同じ事を言ったんですよ。“恥ずかしい”って」と訳を話します。
その話を聞いた桜島麻衣は「つまらない」と一蹴し、梓川咲太の行為を「今回は多めにみてあげる」と言うのでした。
話がひと段落つくと、桜島麻衣は「ファッション雑誌の撮影で使った衣装をもらったから」と言い衣装の入った紙袋を梓川咲太に渡します。
そのプレゼントは梓川咲太に対してのものではなく、妹のかえでへのものでした。
桜島麻衣の「今年で15歳でしょ?オシャレをしたらちょっとは外にでてみたいって気持ちになるかもしれないし」という言葉を聞き、梓川咲太は彼女がかえでの事を考えてくれていた事に喜び、さっそくかえでを呼んで服を渡すのでした。
梓川咲太に「これ麻衣さんから」と服を手渡されたかえでは桜島麻衣に「着てみたら?」と促され、その衣装に着替えます。
着替えを終えたかえでを見て、桜島麻衣は「うん、可愛い」と素直に彼女を褒め、かえでは「こんなの初めてだから恥ずかしいです」と言いつつ、梓川咲太に促されて慌てた様子で改めて桜島麻衣にお礼を言うのでした。
そしてかえでは「あの…かえでも“麻衣さん”って呼んでいいですか?」と桜島麻衣に話しかけ、桜島麻衣は「いいわよ。私も“かえでちゃん”って呼ぶわね」と応えるのでした。
自宅へと帰る桜島麻衣を梓川咲太が送る途中で、改めて今日のことにお礼を言います。
そんな梓川咲太の真剣な態度に「咲太が素直だと弄り甲斐がなーい」とはぐらかし、梓川咲太が演じることになる嘘に「振りが本気にならなきゃいいけど」と不安を口にします。
勘違いをした梓川咲太は「僕は麻衣さん一筋なので大丈夫です」と応えますが、桜島麻衣は「わかってないならいい」と言い、「おやすみ」と別れを告げるのでした。
内容を知らないとタイトルから敬遠しがちな本作ですが、第4話のタイトルも「ありったけの嘘を君に」とちょっとロマンチックが過ぎるような気がします。
タイトルで損をしている作品ですよね。
ただ内容を知ってしまえば作品とタイトルの相性は抜群だと思いますが、難しいですね。
第4話の冒頭は第3話で咲太の自宅に訪れた麻衣に事情を話すところからはじまり、咲太がずっと風呂上りのままの姿だったので、はやく服を着ろ!(笑)とツッコミを入れたかったです。
盗み聞きをしていたかえでの「違います!忍者ごっこをしていたわけではありません」という言い訳も可愛らしかったです。
やはり服装を変えるとキャラクターの印象がガラッと変わって新鮮でしたね。
麻衣が「振りが本気にならなきゃいいけど」と言う言葉は咲太ではなく朋絵の事を指していたのだと思います。
ただそのことがわかっていたとしても、咲太が応えたように返事をしておかないと自意識過剰な発言になってしまうので、難しいですね。
偽装のデート

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
バイト先で梓川咲太は友人の国見佑真に同じバスケ部である前沢先輩の事を訪ねます。
梓川咲太が「その調子でもっと嫌いになれそうな情報をくれ」と言うと、国見は乗り気ではない様子でしたが、前沢の悪い噂を話してくれるのでした。
バイトの後、梓川咲太は約束の為に古賀朋絵と偽装のデートを行います。
デートの先は水族館。
ありきたりなデート先でほどほどに楽しんだ2人でしたが、帰り際に古賀朋絵から昔の自分の話を聞かされます。
父親の転勤で福岡から上京してきた古賀朋絵はいわゆる『高校デビュー』というやつでした。
友達を作る為に研究し今の自分になった古賀朋絵でしたが、今の自分の事を気に入ってはいるものの、本心では『本当の自分はこうではない』と思っているとのこと。
そんな古賀朋絵の話を聞いて梓川咲太は彼女に「前がどうだろうと、今の姿が古賀だよ。きっかけはどうあれ古賀はなろうと思って、努力してそうなってんだろ?」と声を掛けもっと自分に自信を持つように言うのでした。
そんな話をしていた2人でしたが、海岸にクラスメイトの米山さんを見つけ、声を掛けます。
最初は所属しているコミュニティのグループが違うと戸惑っていた彼女でしたが、そんな彼女の迷いをよそに、彼女の落とし物を探す手伝いをすることになりました。
落とした場所も曖昧だという彼女の話とは裏腹に、簡単に探し物は見つかり、古賀朋絵は自分が波で濡れてしまうこともお構いなしに、探し物を拾ってくるのでした。
翌日の6月30日、風邪を引いた古賀朋絵が無理をして学校に登校し、具合の悪さから保健室で休んでいるところへ梓川咲太が訪れます。
古賀朋絵は優しい梓川咲太の態度に「なんであたしの無茶なお願い聞いてくれたの?」と問いかけますが、梓川咲太にはぐらかされてしまいます。
それから数日間で2人の仲は偽装と言えど、日常を共に過ごすうちに深まっていくのでした。
朋絵とデートをすることになった咲太の態度は妙に上から目線で偉そうでしたね。
それでも偽装ですが彼女のことをしっかり誉める咲太はふざけているけど、しっかりと大事なところは決めてくるなと思いました。
水族館で水槽に写る自分の姿をみて落ち込む朋絵の描写は、その後の過去をを明かすという展開の伏線でしたね。
中学生の頃の朋絵の姿を見て「芋だな」と咲太が率直な感想を述べたシーンでは発言がストレート過ぎて笑ってしまいました。
変われたのならば昔の事は引きずる必要がないと個人的には咲太と同意見ですが、『たった一人自分の事を理解してくれる人がいればいい』というスタンスの咲太と『みんなに嫌われたくない』朋絵とでは根本的なすれ違いがありました。
どちらも間違いじゃない考え方ですが、2人の間にそういう考え方の壁があるような気がします。
クラスメイトの落とし物を見つけ波にのまれ朋絵が「あばばば」というシーンは可愛らしく、笑ってしまいました。
彼女が持つ優しさが描かれたシーンだと思います。
偽装とはいえ、仲良くなってしまい一目を気にすることなく冗談を言える仲になってしまったことが後の事件の発端かなと考えています。
具体的には教室で朋絵がお礼に桃缶を咲太に届けていたシーンです。
またちょくちょく咲太の様子を気にかける麻衣の魅力が今更ながら伝わってきました。
麻衣の事件のときよりもその後の麻衣の行動によって今のほうが好感度が高いです。
古賀朋絵の悪い噂

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
国見は梓川咲太を探しに物理実験室の双葉理央を訪ねます。
突然の想い人の来訪に戸惑う双葉理央でしたが、冷静を装い、「梓川が来たら伝言しておくけど」と答えるのですが、すぐに彼女の元に訪れた梓川咲太のお節介によって、そんな彼女の努力も無駄になってしまうのでした。
梓川咲太はその後ループが起こらない現状を双葉理央に相談します。
双葉理央の推測では結局、思春期症候群を引き起こしていたのは古賀朋絵で、今は彼女にとって都合のいい未来になっているため、やり直す必要がないとのこと。
次の日バイトの休憩中に梓川咲太は国見から古賀朋絵の悪い噂が広まっているという話を聞きます。
国見の話を聞き、梓川咲太は噂の出所が前沢だと感づき、その後帰り道で会った双葉理央に「運動部で鍛えてる上に自分より身体のデカいやつに勝てる方法ってあると思うか?」と尋ねます。
それに双葉理央は「さぁね、人間は猿じゃないんだから頭を使えば勝てるんじゃない?」と答え、それを聞いた梓川咲太は決心するのでした。
7月7日、学校に広まった噂のせいで一人きりになってしまった古賀朋絵に梓川咲太は「辛気臭い顔をするな」と声を掛けます。
そんなところに前沢が「最近の一年はお盛んだな」と声を掛けてきたので、梓川咲太は前沢を挑発し、喧嘩へと発展してしまいます。
ファイティングポーズを取り殴り合いを装った梓川咲太の策に前沢は嵌まってしまい、脛を蹴られた上に顔を踏みつけられ、周囲が見ている前で醜態をさらすことになってしまいました。
言いたい事だけ言って古賀朋絵の手をとって駅から逃げだした梓川咲太に、古賀朋絵は先程の行動を「先輩やりすぎ」と注意するものの、2人はいつの間にか笑顔で笑い合っていたのでした。
夕暮れ時の海岸で、古賀朋絵は「あたし、先輩にどうやって恩返しすればいい?」と梓川咲太に問いかけます。
梓川咲太は「じゃあ、ウソが終わったら友達になってくれ」と軽い調子で言うのでした。
物理実験室のやり取りで双葉は可愛いなーと思ってしまいました。
やっぱり国見はイケメンですね。
対応がイケメンすぎます。
しかし後の事を考えるならこの時忠告を聞いておいたほうがよかったのかもしれません、。
双葉の態度の豹変にも笑ってしまいました。
咲太の前では国見のことをイケメンと言えるのに、本人を目の前にするとうまく話すことができず、咲太に対してはブタ野郎と毒舌を吐きます。
国見の彼女の上里がちょこちょこ咲太にちょっかいを出す描写がありますが、あの描写はなんなのでしょうか?
上里の好感度がどんどん下がるだけのような気がしますが、これから彼女もどこかの物語に関わってくるという伏線なのでしょうか?
とても伏線とは思えない描写ですので、一年生の間では『一周回って有り』となっている梓川咲太の評判も同級生にとっては全く変わっていないという演出なのかなと考えて居ます。
今回の見どころはやはり咲太と前沢の喧嘩シーンでしたね。
セリフの内容はともかく、女の子の為に一生懸命になる咲太の姿は恰好良かったです。
セリフは残念ですが…。
あんなに格好いいところを見せられては古賀朋絵も振りが本気になってしまうだろうなと予想しています。