第3話 『革命』あらすじ
自明党幹事長の野丸の口から語られる、「新域構想」の真の目的。検察庁との繋がりも露わになり戸惑う正崎だが、引き続き因幡と仲間の死の真相を追う。捜査を進めるうちに、正崎はこれまで接待に利用されていた女性達に目をつける。
考察と感想「F、Female、女。曲世愛。新域での新しい権利とは」
新域構想とは
野丸が新域で行おうとしていたことが正崎に説明がありました。
表向きは経済発展地域という名目で、実際には新域は現在の日本ではできないこと全てができる場所であり、新法の試験的運行を行う特別行政区、国家の実験場でした。
選挙中に野丸が接触を図っていた他派閥とは以下のような関係にありました。
- 因幡はドラッグラグの問題解決のため
- 建設業連盟には建築規制緩和の対抗の取りまとめ
- 東京都連合には新労働基準法に関する協力
- 管理された票田を使って次世代を担う花として域長に斎開化を就任させる
ちなみにドラッグラグとは野丸のセリフにも説明がありましたが、新薬が開発されてから、治療薬として実際に患者の診療に使用できるようになるまでの時間差や遅延のことです。
誰が首謀者ということは作中内では明らかにはされていませんが、新域という日本の法とは全く違う実験都市を作り上げ、国内では行えないことを実行するために根回しをし、選挙に興味のない若者などへ花として斎を域長に据えることで新域の発展を狙ったということでした。
野丸が国家の実験場と表現していたことから都市の域長を決める選挙でしたが、もしかしたら国家レベルの政治が動いていたのかもしれないですね。
しかし文緒や因幡の自殺は野崎や守永の仕業ではなく、むしろ因幡の死は野丸にとって予想外のことで、この不審な死を正崎は再び追うことになります。
九字院の予想
新域が国家の実験場であることを正崎は九字院と情報を共有します。
その後正崎は行動方針を当面は2件の自殺の追求と定めました。
そんなところで九寺院がこれまでに考えていた因幡の死に関する予想を口にします。
因幡に関しては野丸に依頼された悪事に耐え兼ねた自殺と告発を阻止したい野丸による口止めのどちらかではないかと九寺院は考えていましたが、因幡はドラッグラグの解消のために動いていたためそれは良い事だと判断でき、九寺院の考えていた2つの可能性が消えてしまいました。
そのため正崎は因幡のことをもう少し深く掘る必要があると言い、九寺院がその調査を請け負いました。
文緒の不審な行動が明らかに
文緒が自殺してしまった日の移動のログデータを確認していた正崎は誤差とも思える範囲でしたが、それをデジタルフォレンジック室の水戸荷に確認すると、文緒が実際にこういった行動をしたいたことがわかりました。
更に水戸荷がある程度の行動パターンを割り出すと、文緒がエレベーターに乗り7階の突き当りの部屋まで移動したいたことがわかりました。
文緒はあの日の夜、正崎とメッセージで連絡を取った後に、あの女の子に会っていたということですね。
更に九字院から因幡の自殺の前日に彼のマンション近くの防犯カメラに安納と大学に出入りしていた女の姿が単独で写っている記録が送られてきました。
九字院の進言から野丸に女の正体を直接聞き出そうということになり、正崎は守永の元へ訪れます。
女の名前は曲世愛
守永に女について聞こうとした正崎でしたが、守永にも正崎を呼び出す理由がありました。
正崎は守永から斎が発起会後に側近と共に失踪したことを知らされます。
新域構想について関わりたくはないと守永に言う正崎でしたが、女も斎と一緒に失踪しているのでした。
そして2人いるように見えていた女でしたが、実は同一人物で正崎も既に聴取を執り行ったの平松のことでした。
平松の本当の名前は『曲世愛』。
人を惑わす事に長けており、新域構想に深く関わっていました。
「自殺したくなりました?」
正崎は九字院と半田を交え斎が何か行動を起こしたときの備えを行おうとしていましたが、九字院が因幡も文緒も曲世と接触後自殺していることから正崎に「自殺したくなりましたか?」と問うのでした。
正崎はそんなことある訳ないだろうと応えてから、聴取を共に行っていた奥田事務官に連絡を取ろうとしますが、新域で起こった異変がテレビの中継で報道され、そこに奥田の姿もあるのでした。
正崎は九字院たちと共に現場へ急行しますが、道路は渋滞。
そこへ水戸荷からPCの解析が終わったと連絡が入り、因幡が作っていたのは決して目の覚めることのない睡眠薬、いわば自殺薬を作っていたのでした。
そこから斎の演説が始まります。
斎が主張するのは死への権利、新域の新しい域法としてそれを実行に移すのでした。
斎が歪んでいるのは最初からなのか?曲世愛に関係があるのか?人の意識を曲世愛が誘導しているのか?
因幡の書類に書かれていた『F』の文字の正体もわかりました。
作中で正崎が言っていたようにF→Female→女→曲世愛と連想でき、おそらく因幡は曲世愛のことを指していたのではないかと思います。
斎を止めるよりも先に曲世愛に接触する必要があり、この事件を止めるキーを持っているのは彼女です。
しかしこの事件がどのように法で裁かれるのか?正崎がどうやって起訴に持ち込むのか?こういったところが気になります。
または立証できない何かの現象なのかもしれないですね。