第6話「君が選んだこの世界」あらすじ
朋絵と恋人のふりをするという約束の1学期も最終日となった。
七里ヶ浜での最後のデートを終え、「麻衣に未練がある咲太に愛想を尽かせて朋絵が振った」という設定で別れたことにしようと決めた咲太と朋絵。すべてがようやく解決したかのように思われたのだが……
感想「再びはじまったループの結末は?意外なきっかけ」
試験勉強

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
先日前沢を相手に喧嘩を起こした梓川咲太のことは、学校でちょっとした噂となり、周囲の生徒達から注目を集めていました。
そんな状況になってしまったため、梓川咲太は古賀朋絵の恋人のフリをすることに「これはもう…先輩以上恋人未満って雰囲気じゃないよな。夏休み中に自然消滅なんて信じてもらえるのか?」と不安に思ってしまいます。
7月10日、学校では期末試験ということもあり、梓川咲太は桜島麻衣に試験勉強をみてもらうことになりました。
よそ見をしていた梓川咲太に桜島麻衣は「こら、よそ見するな。試験勉強するわよ」と注意しますが、梓川咲太は「僕は赤点さえ回避できればいいんだけどなぁ…」と全くやる気を見せません。
そんな彼に桜島麻衣は「咲太ってちゃんと進路は考えてるの?」と将来のことについて聞くと、梓川咲太は「将来は麻衣さんと添い遂げたい」といつものようにふざけますが、桜島麻衣からの真面目に答えろという無言の威圧に「大学に行こうと考えています。麻衣さんは?」と応え聞き返してくるのでした。
麻衣「進学予定」
咲太「仕事に専念するんじゃないんだ」
麻衣「しながらでも通えるでしょ?横浜にある公立にしようと思ってる」
咲太「麻衣さん優秀だしね」
麻衣「咲太は私と同じ大学に通いたいわよね?」
咲太「可能なら…」
麻衣「ならしっかり勉強したいでしょ?」
咲太「それは、まぁ…」
麻衣「何よ、煮え切らないわね」
咲太「根本的な学力の問題もあるのでいまいちやる気がでません」
麻衣「じゃあバニーガールの衣装で教えてあげるって言ったら?」
咲太「色々なやる気が出そうです!」
そんなことを言った桜島麻衣は本当にバニーガールの衣装に着替えてしまいます。
驚く梓川咲太の様子に「何よ?」と桜島麻衣は腕を組みながら言うのでした。
咲太「まさか本当に着てくれるとは思いませんでした」
麻衣「私じゃなくて教科書を見なさい」
咲太「どうしたの麻衣さん」
麻衣「何が?」
咲太「あんまり怒らないし、何かあった?」
麻衣「別に…たまには餌をあげた方がいいと思っただけよ」
咲太「何?」
麻衣「あの子のために喧嘩までするとは思わなかったってこと!」
咲太「もしかして、月曜のアレ見てた?」
麻衣「途中からね。あ、そうだ…靴洗いなさいよ」
咲太「うんこ踏んだって言うの、あれ嘘です」
麻衣「なんだつまんない」
咲太「要するに構って欲しかったんですか?」
麻衣「殴るわよ」
咲太「顔はやめて」
麻衣「さっさと私の機嫌を取りなさいよ」
咲太「麻衣さん」
麻衣「なあに?」
咲太「好きです」
そんな咲太の唐突な告白に桜島麻衣は「堂々と浮気するな!今はあの一年生の彼氏なんでしょ」と言いながら梓川咲太の頬をつねります。
そんな試験勉強になっていないような時間を2人は過ごすのでした。
久しぶりの桜島麻衣のバニーガール衣装が見れましたね!
というか麻衣が物語の中でバニーガールの衣装を着ていたのって最初の梓川咲太と出会うまでで、作中では図書館での最初の出会いのみですよね。
OPを除けば、ほとんどでいませんが、桜島麻衣といえばバニーガールという程の強い印象を与えているバニーガールの衣装は非日常の異分子の塊のようなものだと思ってしまいました。
咲太の前でバニーガール姿で座る麻衣もどこか浮いて見えてしまいます。
冒頭の「これはもう…先輩以上恋人未満って雰囲気じゃないよな」と試験中に梓川咲太が考えているシーンでの黒板の日付が9月8日と書いてありましたが作画ミスですよね?
ループを繰り返しているので日付が飛んだのかと驚いてしまいましたが、その後に7月10日の描写がされていることから7月8日と間違えたのかなと思っています。
7月18日

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
翌日、試験を終えた梓川咲太は校門で彼を待っていた古賀朋絵に「試験出来たかー?」と声を掛けます。
それに古賀朋絵は「あ、あんまり。先輩は?」と応え、梓川咲太も「ばっちり。出来なかった」と言い、2人はそんな話をしながらショッピングモールへ向かいます。
友人と海に行く約束をした古賀朋絵の水着選びに付き合うことになった梓川咲太は「これとかどうかな?」と聞く古賀朋絵に「僕は大量の詰め物を見て喜ぶ趣味はないな」とバッサリと切り捨てるのでした。
「桜島先輩とは海行ったりするの?」という古賀朋絵の質問に、梓川咲太は「どうかな。麻衣さんは芸能人だからそういうのは無理かもな」と応えます。
古賀朋絵は「あたし、協力してあげるね。桜島先輩とうまく行くように」と言い、梓川咲太を応援するのでした。
買い物を終え、カフェで休憩をしていた時に、梓川咲太は「別れ方、考えておいた方がよくないか?」と切り出します。
それに古賀朋絵は「うん、分かってる。先輩の振り方なら考えてあるから安心して」と応えるのでした。
古賀朋絵が考えた設定は「結局先輩は桜島先輩に未練タラタラで、それに気づいたあたしに振られる」というもので、最後には「先輩なんて知らない!」とビンタをするとのこと。
それを聞いた梓川咲太は「それ、実演はしないよな?」と聞きますが、古賀朋絵は「リアリティは大事」と応えるのでした。
その後、古賀朋絵は「終業式の後は空けておいてね!海デートの帰りに喧嘩したって想定だから」と梓川咲太に言い、最後のデートの約束をします。
7月18日、梓川咲太はかえでに起こされ、国見と共に通学し、学校で終業式に出席します。
学校を出る時に梓川咲太は「いよいよ最後のデート。僕達が全校生徒についた嘘も今日で終わりだ」と思いながら江ノ電七里ヶ浜駅へ向かうのでした。
駅のホームで遅れてきた古賀朋絵と合流し、2人は東浜に向かいます。
水着に着替えてから2人で一緒に焼きトウモロコシを食べ、海で遊び、砂浜でお城作りの勝負をし、かき氷を食べて、夕方まで海デートを満喫するのでした。
夕暮れ時に海を見ながら古賀朋絵が「ねぇ先輩」と梓川咲太に語り掛けます。
「今日までありがと」と彼女はそうお礼を告げ、「はい。握手だよ」手を差し出してきます。
梓川咲太は「なんで?」と不思議そうに彼女を見ますが、「お別れの」と付け足された言葉を受けて彼女の手を取り、“お別れの握手”をします。
その手を握りながら、古賀朋絵は「先輩は結局、桜島先輩のことが好きで、あたしに愛想をつかされ振られました」と設定を語ります。
梓川咲太が「ビンタはしなくていいのか?」と問いかけますが、古賀朋絵は「それはしたことにしておく。ここで引っ叩いたらあたし、超恩知らずだし」と笑顔で応えます。
梓川咲太の「そっか。まぁ、なら…お疲れ」と言う言葉で2人は握っていた手を放し、梓川咲太は「いい夏休みをな」と、古賀朋絵は「先輩も。桜島先輩と付き合えるといいね」と言って2人の嘘は終わるのでした。
再び始まったループ現象

©2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project
翌日の朝、梓川咲太はかえでに起こされ、「あのな、かえで。世の中には夏休みというものがあるんだぞ」と言いますが、かえでの「でも、夏休みは明日からですよね?」という返事を聞き、日付を確認するとその日は7月18日で、再びループ現象が起こります。
学校に登校するとすぐに梓川咲太は古賀朋絵の元を訪れ「なんかマズいことあったのか?」と原因を追究しようと聞きますが、古賀朋絵は「なんで?」と応えるのでした。
咲太「なんでってまたループしただろ?」
朋絵「え?」
咲太「今日2回目だよな?」
朋絵「んーん」
咲太「ちょっと待て。古賀は1回目なのか?」
朋絵「うん」
咲太「わかった。一旦今のは忘れてくれ」
朋絵「放課後は?」
咲太「予定通りでいい。後でな」
そんなやり取りをした後、梓川咲太は双葉理央に「どう思う?」と相談します。
しかし双葉理央に「本当は梓川も気づいてるんじゃないの?」と古賀朋絵が再びサイコロを振りだした理由を指摘され、双葉理央は「彼女は嘘をついている」と言うのでした。
7月18日を繰り返すこと4回目、梓川咲太は通学中に国見に相談をします。
咲太「なぁ国見。彼女いるよな」
国見「有難い事にな」
咲太「そんなお前に想いを寄せている他の女子が居たらどうする?その子の気持ちに気づいたら、国見はどうするんだ?」
国見「それ誰の事言ってんだよ」
咲太「例えばの話」
国見「例えばねぇ…俺が気付いてることバレてんのかなぁ」
咲太「今はまだ気付いてない」
国見「今はね…。本人が胸に秘めた想いを無理やり引っ張り出させるって言うのは正直抵抗あるよな…自意識過剰って気もするし、俺って何様だよって…けどこのままでいいとも思ってない。どうするのが正解なんだ?」
咲太「聞いたのは僕だ」
梓川咲太の現状の相談がいつの間にか逸れ、国見に逆に聞き返されてしまうのでした。
梓川咲太は古賀朋絵と最後のデートに向かいますが、その日は海にはいかず、江ノ島に行く事にしました。
江島神社で梓川咲太は「縁結びの絵馬だってさ。書いていくか」と言い始め、それに古賀朋絵は「え、神様に嘘つくの?」と梓川咲太を止めようとします。
「絶対罰が当たる」という古賀朋絵をよそに、梓川咲太は絵馬に名前を書き終えると縁結びの樹に結び付けてしまいます。
それを見た古賀朋絵は「みんなのほんとのお願いの中に嘘を混ぜたらバチ当たるって…あたし、持って帰るから」と言いますが、梓川咲太は「嘘をついてるのは僕だけだから平気だろ」と応えるのでした。
2人はそのまま展望台にでて話をします。
朋絵「先輩…さっきの…。なんでもない。ねぇ先輩今からでも海行かない?あたし、この下水着だし」
咲太「古賀…もう嘘は終わりだ」
朋絵「へ?ああ、うん。今日までだしね」
咲太「そうじゃない」
朋絵「あ、顔なんか怖いよ?何?どうしたの?」
咲太「僕が気付かないと思ったか?」
朋絵「だから何の話?」
咲太「嘘でも約三週間、恋人やってたんだぞ。僕は空気が読めている癖に読まないんだ。古賀が言わなくても僕が言う。古賀が何度サイコロを振り直しても人の気持ちは変わらない。嘘は本当にならないし、本当は嘘にならないんだ」
朋絵「百回やっても?」
咲太「ああ」
朋絵「千回やっても?」
咲太「そうだ」
朋絵「一万回でも?」
咲太「一億回やっても変わらない。僕が好きなのは麻衣さんだ。同じ事を繰り返しても古賀の気持ちだってずっとそのままだ」
梓川咲太のその言葉を聞いて古賀朋絵の感情が爆発します。
「先輩、嘘つきだよ。気持ちは変わるよ。繰り返した分だけ積み重なっていく…積み重なっていった。忘れようって決めて、なのに忘れられなくて。今度こそ忘れようと思ったのにダメだった。この気持ちとさよならしようって決めたのに。今日はね、先輩と楽しくデートをして、嘘の恋人を笑顔で終わらせなきゃいけないの。そして先輩は、桜島先輩と上手くいって、二学期になったらあたしは、良かったねって少し意地悪く先輩をからかうんだよ。それで先輩と友達になるの。仲良くなんでも話せて、ちょっと甘えられる年上の友達。今までのことも、嘘の恋人ごっこ結構楽しかったねって思い出話にして、これからもずっと仲良くするんだから…するんだから…。あたしが望んでいるのはそれだけ。特別な何かを欲しがっているわけじゃない。我が儘だって言ってない。誰にも迷惑だって掛けてないよ。なのに…なのに、どうして明日になってくれないの?」と自分の気持ちを一気に言葉にした古賀朋絵は問いかけます。
朋絵「なんで朝起きると、昨日よりも気持ちが大きくなってるの?こんなのひどいよ。無かったことにするって決めたのに」
咲太「そんなことしなくていい」
朋絵「しなきゃダメ!だって先輩は桜島先輩のことが好きじゃん!あたしなんて迷惑でしょ?こんな気持ち友達は持ってないもん。友達にはない感情だもん!」
咲太「僕がいつ迷惑だって言った?」
朋絵「酷いよ。先輩なんて嫌い、大嫌い!先輩がいけないんじゃん。あたしに一杯優しくしたから」
咲太「そうだよ。だから僕に気をつかう必要なんて無いんだ」
朋絵「こんなあたしも大嫌い。こんなのあたしじゃない」
咲太「いいや古賀だよ。それも古賀だ」
朋絵「違う!これはあたしじゃないよ。あたしは夏休みが来て欲しい。早く先輩と友達になって楽しく笑いたい。それしか望んでない!」
咲太「もう自分に嘘をつくのはやめろ。お前は正義の女子高生だろ?古賀に出来ない事なんてない」
朋絵「ずるい。ずるいよ、そんな言い方」
咲太「だからさ…もう我慢しなくていいんだ」
朋絵「先輩のバカ、バカ!嫌い、大嫌い…でも、でも好き。あたしは先輩が好き。大好きーーー!!」
自分の気持ちと向き合った古賀朋絵に梓川咲太が「古賀、よくがんばったな。ほんとがんばった」と声を掛けますが、古賀朋絵はその言葉を聞いて声をあげて泣いてしまうのでした。
夢の終わり
古賀朋絵の思春期症候群がみせていたのは全て未来のシュミレーションでした。
梓川咲太が目を覚ますと日付は6月27日にまで遡っていました。
そして再び、梓川咲太は桜島麻衣と昼食を食べ、告白の返事をもらい、そして「麻衣さんって僕のことどう思ってる?」と問いかけます。
すると彼女は「どうしても聞きたい?」と聞いた後、梓川咲太の注意を逸らした隙に、彼の頬にキスをするのでした。
そんなことがあり上機嫌だった梓川咲太は廊下で前沢からの告白を断る古賀朋絵の姿を目撃します。
その後1人になった古賀朋絵に梓川咲太は声を掛け、「古賀に何かあっても友達で居てやるよ。だから一人ぼっちにはならない」と言い、それに古賀朋絵は「先輩を親友にしてあげるの、あたしの方だし」と軽口で答えるのでした。
その後夏休みに入る前までの日々は、梓川咲太が体験したものがそのままその通りになりました。
梓川咲太はこれまでのことを振り返り、双葉理央に話をすると、彼女は「なるほどね。周囲に合わせるため、必死で空気を読んでいた少女は気が付くと未来まで読めるようになっていたわけだ」と古賀朋絵の思春期症候群をまとめます。
「でもどうして70憶の人類の中で僕だけはその現象に巻き込まれたんだろう」とぼやく梓川咲太に、双葉理央は「量子もつれじゃないの?」と返します。
その現象を「離れた位置にある2つの量子が何の媒介も必要とせずに瞬時に情報を共有して動く奇妙な現象のこと」と双葉理央は説明してくれ、梓川咲太は一応納得し、「けど…なんでもつれるんだよ」と更に疑問を口にします。
双葉理央が「その一年生と最近、何か衝撃を与えあったりしなかった?」と聞くと、梓川咲太には心当たりがあり、「尻を蹴り合った」と応えます。
それを聞いた双葉理央は「再現実験をしたい。尻を出せ」と言い始め、梓川咲太が断ると「いいから出せ、ブタ野郎」と言うのでした。
1回目と2回目と3回目 pic.twitter.com/ifL8EQPj3Z
— りゅっか (@RYUCCA) December 14, 2018
今回の見どころは古賀朋絵の告白シーンかなと個人的に思っています。
江島神社の作画もバッチリでしたしね。
ループ現象に再び陥ってしまったときには、やっぱりなという気持ちがしました。
でも毎日かえでが起こしてくれるのは羨ましいですね。
かえでアラームが欲しくなってしまいます。
朋絵が満足が行くように繰り返されるループに付き合い、咲太は3回目まで同じ行動をとっていたように見えて、砂浜で作るお城のデザインを毎回変えるというささやかな抵抗をしていました。
ただしその後にかき氷を食べている描写があったので、どんなデザインにしても咲太は負けてしまうようですね。
今回の物語の舞台
江島神社