第6話「接・触」あらすじ
アカネの質問に違和感を覚えた裕太は、六花や内海に相談しようとするがタイミングが合わずに1人で抱え込んでしまった。そんな裕太の前に怪しげな少女が現れる。その少女と初めて出会った気がしない裕太は、自分の記憶に関わる人物ではないかと言葉を交わす。少女に連れ回される中で乗り込んだ電車で、裕太はこの街の真実に近づいていく。
第6話の物語の内容
怪獣少女との遭遇

Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会 Project
郊外活動の怪獣騒動の事はクラスメイト達は忘れ、皆日常に回帰していました。
響裕太はあの日、新条アカネに掛けられた「君が変身してるんでしょ?」という言葉が気にかかり、「もしかして新条さんも記憶がリセットされていないとか…」と1人悩みます。
ちょうどその日、内海将は法事で学校を休んでおり、響裕太は宝多六花に相談する事をためらってしまい、学校でその機会を逃してしまいます。
一方で、新条アカネは家の前で彼女の帰りを待っていたアンチと出会います。
「グリッドマンが現れない限りお前の命令を待っている」というアンチに新条アカネは響裕太がグリッドマンの正体だと告げ、探し出し亡き者にするよう命令します。
新条アカネの命令に「分かった」と告げ去るアンチの姿を見て、彼女は「あの子ほんとにわかってんのかな」と言い、新条アカネは自宅へと入らずに再び外出するのでした。
宝多六花は自宅に帰り、店頭に並ぶジャンクを見て、「ねぇママ。これってマックスさん達が買ったんだよね?」と尋ねると、彼女の母親は「うん。ああ~でもまたうちで買い取って欲しいって頼まれたから」とジャンクがここにある理由を説明します。
その後宝多六花は暇を持て余し、再び外出し、ふと立ち寄ったお店の雑貨の中にパスケースを見つけてしまいます。
宝多六花は先日バスで一緒になった新条アカネがパスケースを持っていなかったことを思い出し、そのパスケースを買ってしまうのでした。
響裕太は悩んだ末に、ジャンクショップに訪れますが、お店の中に宝田六花の姿はなく、「やっぱり学校で素直に六花に相談すればよかった」と後悔しながら街の裏通りを歩いていました。
そこへ「ねぇ。やっと会えた」と見知らぬ女の子から声を掛けられ、響裕太は「誰?」と問い返します。
彼女をよく見ると響裕太は「俺、この子知ってる気がする」と既視感を覚え、話を聞いてみることにします。
裕太「えっ?俺と会ったことある人?」
少女「うん。似てるでしょ」
裕太「誰に?」
少女「忘れたの?」
裕太「あっ、ごめん記憶喪失になっちゃって。君名前は?」
少女「名前…私怪獣だよ」
そう告げた少女は笑いながら巨大化し、「いや全然わかんないんだけど」という響裕太に「本当だよ」と証明してみせるのでした。
そして少女は「私怪獣の家系なんだ」と自分の事を説明し、「ねぇ、デートしよ?奢るから」と響裕太を誘うのでした。
宝多六花とアンチ、内海将と新条アカネ

Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会 Project
宝多六花は買い物が終わった後、公園でゴミを漁るアンチを見つけ「久しぶり。雨の日に1回会ってるよね」と声を掛けます。
「俺に何の用だ?」というアンチの質問に、宝田六花は返答に窮してしまいましたが、アンチのお腹の音を聞き、「お腹空いてる?」と聞き返えすのでした。
宝多六花はアンチにパンと牛乳を渡し、「もしかして中学生?私六花。君の名前は?」と尋ねると、彼は「アンチ」とだけ名乗ります。
食べる事に夢中になっているアンチから酷い臭いがし、それに気づいた宝多六花は「ねぇちゃんとお風呂入ってる?」と尋ねるとアンチから「なんだそれは?」という答えが返ってきてしまい、宝多六花は「マジか…」と言うのでした。
そんなアンチを宝多六花は自宅に連れて行き、服を洗濯し、アンチを自宅のお風呂で洗うことにします。
一方で、法事が終わり本屋で雑誌を読んでいた内海将は、新条アカネに声を掛けられ、慌てて呼んでいた雑誌を戻します。
アカネ「どうしたのその恰好?」
内海「今日、親戚の法事で…」
アカネ「何読んでたの?」
内海「えっ?いやその…」
アカネ「宇宙船かぁ~」
内海「あっ、それは別にたまたま…」
アカネ「ふ~ん。あっ、レッドキング!」
内海「えっ?」
アカネ「やっぱレットキングって3代目の造形いいよねぇ」
内海「えっ!?新条さん怪獣好きなの?」
アカネ「え?好きだよ~」
内海「うっそ!?」
アカネ「えっ?だってかっこいいじゃん」
内海「珍しいよね。女子なのに」
アカネ「男子でも怪獣好きなのは珍しい方じゃない?」
内海「確かに」
新条アカネと意外な趣味の一致が発覚した内海将は、その後怪獣トークで盛り上がり、様子を見ていたボラーも「ほー。以外な展開だ~」と言うのでした。
新条アカネからの質問

Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会 Project
少女に言われるがままに公園まで付いてきてしまった響裕太は、少女に飲み物と食べ物を勧められ、「いや、悪いよ」と遠慮します。
そして少女に「電車乗ろ?この街外から見る」と言われ、「いいけど…」と答え、「何もないから」と付け足された言葉に疑問を抱きつつも、電車で街の外にでることになりました。
「こないだ俺初めて電車に乗ったんだ。ああ、だから記憶喪失になって初めてって意味。大きな川が流れててさ」と響裕太が先日体験した事を彼女に話すと、少女は「そんなのないよ」と言うのでした。
少女の「この街の外には何もないよ」という言葉に、響裕太は「どういうこと?」と疑問を口に出しますが、ちょうどその時2人が乗る電車は街の外に出て、周囲の霧が濃くなり、響裕太は突然眠気に襲われます。
そんな響裕太の様子を見て、少女は「眠くなったでしょ?街の外に出るとみんな眠くなる」と語り掛けるのでした。
響裕太が目を覚ますと、少女が先ほどまで聞いていた音楽のイヤホンを耳に着けられていました。
「俺今…」と自分が眠っていた事を確認しようとした響裕太の言葉を先回りして、少女は「このガスのせいだよ」と応えます。
そして響裕太は「ん?音楽?」と自分が聞かされている音楽について尋ねようとすると、少女は「音楽にはね。目には見えないけど音の精霊が隠れていてね。そしていつも演奏をする人の心を見てるんだ」と応えるのでした。
一方で、内海将と新条アカネはコーヒーチェーン店に移動し、怪獣談義で盛り上がっていました。
そんな会話をしていた中で突然、新条アカネは内海将に響裕太のことを聞くのでした。
アカネ「響君ってさ。どう思う?」
内海「何いきなり?なんの話?」
アカネ「記憶喪失になってからなんか変わったよね」
内海「そりゃ、まぁ記憶がないんだから変わったりはするでしょ」
アカネ「う~ん。そういうことじゃなくて…なんか隠してると思う」
内海「何かって?」
アカネ「だからそれを君に聞いてるの」
内海「…」
アカネ「内海君、響君と仲いいんでしょ?」
内海「うん」
アカネ「ならあの人のこと良く知ってるよね?知ってるなら教えて」
アカネ「教えてよー。響君が何か隠してるなら」
内海「…」
アカネ「え?言えない?言えない事?ねぇ~お願い」
内海「確かに裕太は変わったかもしれないけど、裕太であることは変わってないよ。俺と裕太の関係も」
アカネ「もういいや。分かんない」
そして新条アカネは「響君、早く記憶が戻るといいね」と言って去っていってしまうのでした。
内海将は新条アカネの事を一般人だと勘違いし、「ごめん。俺は新条さんを巻き込んだりできない」と響裕太の秘密を明かすことはしませんでした。
怪獣少女の明かした世界の秘密
「なんでこの街だけに怪獣が現れていると思う?と少女は響裕太に問いかけます。
響裕太はその言葉を聞いて「えっ?何か知ってるの?」と問い返します。
そして少女は響裕太にこの街の秘密を明かすのでした。
少女「今までこの街に現れた怪獣は全部1人の人間から生まれたもの。1人ぼっちの人間の心から。それが新条アカネ」
裕太「新条さんが?」
少女「新条アカネは怪獣を使って街を壊して街を直す。何度もそれを繰り返してきた。私はずっと前からここで見てた」
裕太「なんでそんなこと」
少女「気に入らない部分を直すためだよ。あの子にとってこの街は世界の全部。怪獣を作っているうちにあの子の心が、この街自体が怪獣みたいになっちゃった」
裕太「今まで怪獣の犠牲になった人達って」
少女「新条アカネが気に入らなかった人達」
裕太「好き嫌いで人を…?」
少女「仕方ないよ。新条アカネはこの世界を創った。君たちにとっての神様なんだから」
裕太「いや待ってよ。その話が本当なら神様にしては歪み過ぎでしょ」
少女「そう。彼女は歪み過ぎているんだ。だからきっとその心を利用された。外から来たとても危険な人に」
裕太「それって宇宙人とか?」
少女「はぁ…?面白いね」
そんな世界の秘密を知った響裕太でしたが、更に少女に疑問を口にします。
「君が怪獣ならなんで新条さんの味方をしないの?」という響裕太の質問に、少女は「私は新条アカネから生まれたわけじゃない」と応えます。
それに驚く響裕太に少女は続けて「私は元からここにいた怪獣だよ。ツツジ台が生まれるずっと前から」と言うのでした。
響裕太は少女の話から「新条さんがこのままだとこれからも怪獣は生まれ続けるの?」と問いかけます。
少女は「うん。今までずっとそうだったから」と応え、響裕太は「ありがとう。俺のやるべきこと、また少しだけわかったような気がする!」と少女にお礼を言います。
別れ際に少女は「私にできることはこれくらいだから」と言います。
響裕太はそんな少女に「どうして俺に?」と話をしてくれた理由を聞くのでした。
それに少女は「お礼というか恩返しというか…。私の先代がお世話になったんだよ。君に」と告げますが、響裕太は「ごめん…何も思い出せなくて」と謝ります。
それでも少女は「ううん。会えて良かった」と言い2人は別れます。
彼女と別れた響裕太は1人、「なんで神様が普通の都立高通ってるんだろう」と疑問に思うのでした。
アンチからの襲撃
駅からの帰路で響裕太はアンチに見つかり、襲撃を受けてしまいます。
アンチの突然の襲撃に「な、何!?」と混乱する響裕太でしたが、彼を見守っていたマックスが駆け付けアンチを迎撃します。
更にサムライ・キャリバーも加勢に加わり、響裕太の事をグリッドマンだと言うアンチに、「よく見ろ!響裕太は人間だ。グリッドマンじゃない」とアンチの攻撃をさばきながら説得します。
最初は「邪魔をするな」と頑なな態度を見せていたアンチでしたが、マックスの「よく考えろ!裕太を殺せばグリッドマンを倒せなくなるぞ」という言葉に、「どういう事だ?」と対話の姿勢を見せ始め、新条アカネからの命令と現状の判断がつかなくなり、「今日は見逃してやる」と逃亡するのでした。
アンチの襲撃の中で、彼の声が怪獣のものだと気づいた響裕太は、戦いが終わった後に「あいつ、たぶん怪獣だ。怪獣が変身してるんだ」とマックスとサムライ・キャリバーに告げます。
それに対してサムライ・キャリバー「聞き覚えのある声だが、あれが怪獣?」と疑問を口にしますが、響裕太は“怪獣少女との出会い”ということもあり、「変なこと言ってると思うけど今日はそう思うんです」と断定します。
直接響裕太を怪獣が襲撃してきたという事態をグリッドマンに報告しておこうとマックスが提案し、お店の営業時間が終わってしまう前にと3人はジャンクショップに行くことにしたのでした。
そしていつものようにジャンクショップに仲間達が集います。
感想「今回は怪獣が出ない回!明かされる世界の秘密」
第6話は作中で「事情があるとはおもうけどさ、怪獣が出ない回とか作っちゃダメだよね」と言っていましたが、まさに怪獣が出てこない回でしたね。
裕太は怪獣少女と六花はアンチと内海はアカネと三者三様の1日の出来事が描かれていました。
六花が買っていたパスケースはOPででてくるアイテムだったので、あれかと思ってしまいました。
直接買っている描写はありませんでしたが、買い物が終わった後のアンチを見つけるシーンで六花が紙袋を下げていたので購入したことがわかります。
六花がアンチを自宅に連れ込むシーンでは、六花ママが「お兄ちゃんの予備校。忘れ物したんだって」とこれまでに登場していない、六花の兄がいるということがわかりました。
これから登場する場面があるのか気になります。
更に店番をヴィットに頼んでいましたが、ヴィットの接客対応が酷くて全然安心じゃないじゃんとツッコミを入れつつ、ジャンクショップにもお客さん来るんだなーと思ってしまいました。
商売をやっているので当たり前ですが…。
これまで視聴者側には敵は新条アカネで更に背後にアレクシスという黒幕がいるという分かりやすい設定がありましたが、第6話で明かされた世界の秘密には驚きました。
元々の響裕太達が住んでいた世界というのはどうなってしまったのでしょうか?
または響裕太達も新条アカネが創造したものの1つなのかもしれないですね。
しかし怪獣少女が自分のことをツツジ台が生まれるずっと前からここにいた怪獣と称していたことから、やはり新条アカネが創造した世界よりも前の世界があるということがわかります。
また怪獣という存在が当たり前に生息しているということもわかってしまいました。
意味が変わってしまうかもしれませんが、怪獣少女は天然。アンチなどは養殖ってことですよね。
怪獣としての登場ではありませんでしたが、今回はアンチの人型での戦闘シーンがあり、あれはあれで見ごたえがありました。
サムライ・キャリバーはいつも携帯している刀があるのはわかっていましたが、アンチやマックスにもそれぞれ特有の武器があることにも驚きです。
一気に敵の正体がわかり、グリッドマンサイドとアカネサイドと共に敵を認識しあった状態となり、今後どんな展開が待っているのか楽しみです。
そろそろアレクシスが動きだすのでしょうか?