第19話『右目の封印』あらすじ
キリトがふとした会話の中で口にしたセルカという名前。それを聞いたアリスの様子が一変する。その様子を見たキリトは、整合騎士の真実を彼女に告げる。しかし、キリトから語られる言葉を受け入れることができないアリスは激しく動揺する。そのころ、ベルクーリとの死闘の最中に意識を失ったユージオは、元老長・チュデルキンの手によって最上階へと連行されていた。そこでユージオを待っていたのは……。
アニメ第19話の内容と原作小説の該当部分は?
アニメ第19話はアリスがキリトの話を聞き、アドミニストレータと服従を強要する創造した神へ自分の意志で戦うと宣言し右目に施された封印をユージオと同じように突破する展開が描かれました。
後半にはチュデルキンによって連れ去られたユージオのほうへと場面が移り、カーディナルの短剣を使うことをためらってしまったためアドミニストレータが目を覚ましてしまい、アドミニストレータによってユージオは思考力を奪われ、甘言に惑わされてアドミニストレータの手に落ちてしまいます。
アニメ第19話は原作小説『ソードアート・オンライン13 アリシゼーション・ディバイディング』の第13巻の132頁から199頁までの内容に相当します。
アニメと原作小説の違い
エルドリエの話のカット
アニメでは描写されませんでしたが、原作小説では整合騎士の存在の矛盾としてエルドリエがどのようにして整合騎士になったのかキリトがアリスに説明しています。
キリトの説明に対してアリスは自分の弟子であるエルドリエに限ってそんな筈がないと反論し、キリトは更に央都におりて誰でもいいから整合騎士になる方法を聞いてみろとアリスに言いますが、整合騎士がアドミニストレータによって記憶を修正されているという話をアリスは「お前の話は、到底受け入れられない」と拒否されてしまいます。
その後デュソルバートによって罪人としてアリスが連行されたという話に話題が移り、アニメで描写されたアリスの話をキリトは「君の話をしよう」と言って聞かせます。
今後の方針
アニメでは心理描写はなかなか行わないように演出されていますが、キリトはアリスの説得と同時にいろいろな事を考えています。
アリスがセルカの事を思い泣いているときには今後の方針をまとめています。
- 月が上り次第出発
- 95階まで壁を登り塔内へ入る
- 休戦状態にあるアリスとの戦闘の回避
- ユージオとの合流
- その後状況次第でカーディナルの短剣をアリスに使う
- ベルクーリの攻略
- アドミニストレータの待つ最上階への到達
- アドミニストレータが眠っているうちに無力化
- アリスの『記憶の欠片』の奪還とアリスの人格の復元
- システムコンソールから現実のラーススタッフとのコンタクト
- そこでアンダーワールドの保全と最終負荷実験の停止の交渉
などなどとキリトの頭の中では一応最終局面までの計画が希望的なところがあるもののできあがっています。
ただやる事が多いためキリトが「気が遠くなるほどの高難易度ミッションの連続だ」と描写されており、このクリアするべき目標の中にキリトが本心からそうしたいと思うものが1つだけないとされています。
答えは書かれていませんが、アリスの人格を戻すというところなのではと考えています。
カットによってカットされたセリフ
アニメではキリトとユージオが央都セントリアまでの道のりをカットしてしまっているので街に存在する衛兵隊の描写がありません。
そのためアリスからダークテリトリーからの脅威に対して策を聞かれたキリトは貴族や一般民から軍を作ると応えるシーンで「あちこちの村や街に衛兵隊があるんだしな」というセリフがカットされていました。
アニメでは修練士学院時代に志の高い貴族に対しては描写がありましたが、軍の多くを担う一般民の描写がないため少し現実味のかける発言となってしまっており、カットがここに影響してきたかと思ってしまいました。
キリトの現実サイドの予想
またこの時点でキリトはラースが人工フラクトライトを軍事転用することにまで思考が到達しており、その事を許せないと考えています。
しかしそう考えながらもアリスに人工フラクトライトたちで軍隊を作ろうと言っていることに皮肉を感じ忸怩たる内心と描写されています。
挿絵のアリスの右目
原作小説でアリスの右目に『SYSTEM ALERT CODE871』が表示されたシーンが挿絵として載っています。
ただし瞳に写っているのはバーコードと反転した『SYSTEM ALERT』という文字のみとなっており、アニメではその部分が修正されていました。
ユージオの家族の描写
ユージオの優しさと心の渇きを表すエピソードがカットされていました。
ルーリッド村で過ごした子供時代の日々のことを振り返り、いじめっ子のジンクが風邪をひいたと聞いたときには森で薬草を集め届けたりもしたという優しいエピソードが描かれています。
また『ギガスシダーの刻み手』というルーリッドの村に古くから受け継がれてきた栄誉ある天命に任命されたユージオがそれを家族に報告すると、誉められるのではなく畑の収穫量や働き手がいなくなって生産性が落ちると兄や父からがっかりされるというエピソードがあります。
ユージオの母もその場にいましたが、男達の不機嫌を怖れ何も言わずにその場を去ってしまいます。
またユージオが天命で稼いだ給金は全て父に管理され、同い年のジンクは自分の給金を全て自分のために使っているという劣等感も描かれています。
このようなエピソードから嘘偽りなくユージオは家族と友人を愛していましたが、彼自身が自覚することのなかった心の渇きをアドミニストレータが言葉巧みについてきたという展開に繋がります。
ユージオは「あなたは本当に満ち足りたと思えるほど、誰かに愛されたことがない」というアドミニストレータの指摘に一面では確かな事実だと認めている描写があります。
まとめ
アニメ第19話は原作小説の第13巻にあたり、アリスの覚醒とユージオが敵の手に落ちるという展開が描写されました。
アリシゼーション編の3人目の主人公であるアリスが覚醒を果たし、これまでキリトの相棒であったユージオが次回以降で敵になってしまうという展開が予想できます。
かなり忠実にアニメは原作小説を再現していますが、心理描写やキリトが現実サイドに対して考えている事などがカットされています。
わからなかった箇所やもっと知りたいと思った部分があった場合、原作小説は非常に読みやすいライトノベルなのでオススメです。