原作のライトノベルも未読でアニメ初見の状態で見始めた『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』。
タイトルからよくある萌系のアニメなのかと思いましたが『思春期症候群』という不思議な現象を主人公の梓川咲太が彼なりのやり方で事件を紐解き解決し、そして友人である双葉理央に相談しその一件が物理現象としてはどのようなことだったのかとまとめます。
少し強引なまとめですが、不思議をそのままにせずなんらかの根拠をたてる部分が気に入りました。
OPも聞きやすく視聴を終えてみれば面白かったと素直に思える作品でした。
またCM等で青春ブタ野郎シリーズと流れていたため原作小説のほうも気になってしまいました。
近年よくある長く奇抜なタイトルがついた本作ですが、タイトルで損をしている作品だなと思ってしまいました。
第1話『先輩はバニーガール』あらすじ
峰ヶ原高校の2年生・梓川咲太は、ある日、図書館でバニーガールと出会う。その正体は、咲太と同じ高校の3年生で活動休止中の国民的女優、桜島麻衣だった。周囲からひと際目立つ麻衣だが、何故か彼女の姿は周囲の人間には見えていなかった。
麻衣から金輪際、私に関わるなと言われるも気になった咲太は翌日、駅のホームで見かけた彼女に話しかける。そして咲太は、麻衣の身に起こっている不思議な現象について聞かされる。
感想「図書館でバニーガールと出会う!」
冒頭での日記
梓川咲太が冒頭で自分が書いたであろう日記を読むシーンがありました。
日記にはところどころ消えている部分があり、このシーンは事件の起こった後で、冒頭のシーンよりも前の出来事が語られるという展開が簡単に予想がつきます。
冒頭のシーンでは日付が5月29日で、日記が書かれていた日付が5月6日でした。
約20日間の間で日記に書かれた事件が起こり、冒頭のシーンに至ることになったと予想ができます。
桜島麻衣との出会い
梓川咲太が図書館でバニーガール姿の桜島麻衣と出会うシーンではあまりの絵図らの不自然さに驚きました。
この時点では正直ちょっと微妙かなと思ってしまいましたが、作品タイトルや冒頭のシーンだけではどのような物語になるのか予想がつかず続きが気になり視聴を続けることにしました。
まだ物語の世界のことを全然知らないので、バニーガール姿の桜島麻衣は幽霊や幽体離脱なんかをではとこの時点で考えました。
しかし翌日、梓川咲太が自身通う神奈川県立蜂ヶ原高等学校に登校しているとその通学風景の中に同様に学校に登校する桜島麻衣の姿を発見します。
さっきの予想ははずれかなと思い、ますます本作のストーリーがどのようなものであるのか想像できまくなりました。
梓川咲太とその友人国見佑真との会話の中で桜島麻衣が元芸能人であったことがわかります。
学校での桜島麻衣はいつも一人きりで国見から教えてもらった噂を元に梓川咲太は「目立ちたくない…だから、桜島先輩も空気を読み、自分も空気を演じてるんだ、きっと」と状況を予想していました。
小さいコミュニティ特に学校という場所では周りの空気を読んで自分が突出しないように気を付けて立ち振る舞う。
自分の学生時代もそうだったかなと考えてみましたが、私自身はあまりそういうことを気にしていませんでした。
そうなると私自身周囲から浮いていたということになってしまいますが…
梓川咲太の噂
梓川咲太は友人である国見の彼女上里沙希に呼び出され、これ以上国見と一緒にいるなと忠告をうけてしまいます。
学校のクラス内でも浮いているという梓川咲太は何故こんなにも嫌われているのかと疑問に思いました。
登校のシーンでも国見が上里と一緒になった途端彼女は梓川咲太から国見を放し距離をとっていましたし、梓川咲太が浮いている理由が気になります。
電車を待つ梓川麻衣を野次馬が芸能人だと写真を撮ろうとしているところへ梓川咲太は割って入り撮影を邪魔します。
そして電車を待つために桜島麻衣の横に並ぶと意外にも彼女からお礼の言葉を掛けられるのでした。
桜島麻衣と一緒に下校することになった梓川咲太は彼女がバニーガールに扮していた理由を聞きますが、「忘れないって忠告したわよね」と断られてしまい、更に梓川咲太につきまとう『病院送り事件』という噂について言及されてしまいます。
ここでは『病院送り事件』の真相について触れられることはなく、ただ誤解であることがわかりますが、梓川咲太本人は噂を正そうとする様子はなく「空気と戦うなんてバカバカしいですって」と自分のことなのにどこか他人事のような態度をとっていました。
その後、静かに桜島麻衣は自分が芸能活動をしていた事、そしていつの間にか「私の事を誰も知らない世界に行きたい」と願うようになった事、更にいつからか自分のことが見えない人が居るという不思議な状況に陥ってしまった事を梓川咲太に語りました。
野次馬の邪魔をする梓川咲太や一人で水族館に行ったりバニーガールに扮装して街で自分に起きている事を調べる桜島麻衣と行動力のあるキャラクターが多いですね。
桜島麻衣に起きている不思議な現象の名前を梓川咲太は知っていました。
それは『思春期症候群』です。
思春期症候群とは
作中では梓川咲太は思春期症候群の事を「他人の心の声が聞こえたとか、誰々の未来が見えたとか…誰かと誰かの人格が入れ替わったとか、そういう類の噂話のことを誰が言い出したのか、思春期症候群と呼ぶようになりました」と説明していました。
このセリフはもしかして今後、桜島麻衣とは別の物語で起こる出来事の伏線なのではと予想してしまいましたが、梓川咲太が語った説明は曖昧なものでわかりにくかったですね。
TVアニメ公式サイトでは思春期症候群についてこのように説明されています。
思春期症候群―――
不安定な精神状態によって引き起こされるとネットで噂の不思議現象。
こちらもすごく曖昧ですね。思春期症候群に関してはストーリーを追っていく中で知っていく必要がありそうです。
梓川咲太が桜島麻衣を信じる理由
桜島麻衣が語った不思議な現象を信じると告げた梓川咲太は彼女に信じる根拠を見せることにしました。
梓川咲太、そしてその妹のかえでも思春期症候群を発症した人の1人でした。
ネットでイジメを受けたかえでは、実際に暴行を受けたように怪我をし、梓川咲太自身はどうしてなのかわかりませんが、胸に大きなひっかき傷がありました。
自分が実際に目にし自分にもその名残の傷があるという事が梓川咲太が桜島麻衣の言うことを信じる理由なのでした。
かえでの思春期症候群を治す為にネット環境から距離を置いたと説明していた事でオープニングで梓川咲太が海に向かって何か投げているシーンはスマホを捨てていたのだなと気づきました。
自身の体験から桜島麻衣の身に起こっている思春期症候群を治すには芸能界に復帰すればいいと梓川咲太は言いますが、桜島麻衣の地雷を踏んでしまったようで、その発言に彼女は怒り帰ってしまいます。
そしてそれ以来桜島麻衣は学校に来なくなってしまうのでした。
梓川咲太のどこかやる気のうせた態度と他人との会話のやり取りは絶妙な空気がありおもしろいです。
傷を見せる為に服を脱ぎ始めた梓川咲太を見てとった桜島麻衣の様子はラノベ系ヒロインのテンプレートといったものでしたね。
突然帰ってしまった梓川麻衣がバニーガールの衣装を梓川咲太はもらってしまいましたが、どう処分するのか気になります。
その後も桜島麻衣の事が頭から離れない梓川咲太は学校のパソコンを使いインターネットで彼女の芸能界活動休止の理由を検索しますがめぼしいものはなく、また国見に聞いてみても公表されている一般的な事しかわかりませんでした。
そんなところへテレビ局のアナウンス部に所属する南条文香が梓川咲太を訪ねてやってきます。
「取材で近くまで来たの」と語る彼女はどうやら思春期症候群をニュースのネタにしたいようで梓川咲太に付きまとっているようでした。
「胸の傷、1枚写真を撮らせてくれるだけでいいんだけど」という彼女の言葉に梓川咲太は「イヤです」と即答しますが、その後南条に「南条さんは桜島麻衣が活動休止した理由知ってたりします?」と梓川咲太が聞き、南条は「少なくとも一般人が知らないこと、知ってると思うわよ」と答えます。
こんなやり取りだけでしたが、梓川咲太は胸の写真を撮らせることを交換条件に南条から桜島麻衣の活動休止の理由を聞くのではないのかなと展開を予想できます。
物理実験室にて
学校の物理実験室で梓川咲太は友人の双葉理央に思春期症候群について相談をします。
思春期症候群について否定的な立場をとる双葉理央はあくまで仮説としてシュレデンンガーの猫を例に観測理論を説明します。
二酸化マンガンを「中身はたぶん砂糖だよ、白いし」と梓川咲太に手渡す双葉理央というキャラクターがでてきました。
気軽に梓川咲太が呼ぶので双葉という名前だと勘違いしてしまいましたが、苗字でした。
シュレディンガーの猫についても最近はこの実験を多く取り扱う作品が増えていますので、またかと思ってしまいました。
メガネをかけたキャラクターが特に好きという事はないので自分でも驚きなのですが、青春ブタ野郎シリーズで双葉理央が個人的には一番好きなキャラクターです。
桜島麻衣の行方
そんな双葉理央との会話を参考にし桜島麻衣の事を考えていた梓川咲太でしたが、彼女とよったパン屋で「桜島麻衣を知ってますか?」と尋ねてみると店員から「そんな人居ましたっけ?」と答えが返されます。
朝ドラの子役でブレイクし一時はテレビで桜島麻衣を見ない日はないというほどの人気だった彼女を店員は知らないと答えたのです。
誰からも見えなくなってしまった桜島麻衣の思春期症候群の症状は悪化し見えなくなるだけではなく存在を忘れられはじめてしまっていました。
その事に気がついた梓川咲太は急いで家へ戻ると扉の前に座り込んだ彼女を発見するのでした。