第5話 『告白』あらすじ
謎の女・曲世の素性を調べるため、正崎と瀬黒は京都にいる叔父の元を尋ねる。そこで語られたのは、曲世が中学生の頃に学校で起きた不可思議な事件。そして、担当医として彼女のカウンセリングをした彼自身の信じがたい実体験だった。
考察と感想「悪事に手を染めてまでなす正崎の正義とは?」
バビロン第5話は曲世愛の元担当医兼叔父の坂部蔵主が彼女が中学生時代に起こした事件とその後のカウンセリングについての告白が描かれていました。
第4話までは曲世愛と『斎開化の自殺教唆の疑い』との関連性は薄かったのですが、残念なことに予想通り彼女の動きを追っていた筒井警部補が犠牲となり、その際に曲世が正崎宛てに筒井警部補の携帯で電話をしたことで彼女の関与が確定的になりました。
それと同時に電話があった時に正崎の横に瀬黒陽麻が居たことによって「瀬黒陽麻は実は曲世愛でずっと横であなたをお手伝いしていたのよ」なんてことはなくなりました。
瀬黒陽麻は曲世愛とは全くの別の人物のようです。
これまで正崎とは一線を引いていた瀬黒陽麻も第5話までの正崎の行動を目にして信頼のようなものを寄せている描写がありました。
正崎の坂部と会うための京都への移動とは別に警視庁で特別捜査本部がしかれている『斎開化の自殺教唆の疑い』についても進展があり、斎開化から直接メディアで公開討論会を行おうという声明が発表されました。
メディアの前に斎開化が姿を現すということで、正崎は特別捜査本部を捜索班を2名にし、残り全員を罪状班へと充て公開討論会までに証拠を見つけ出そうと士気が高まります。
しかしそんな現場をよそに正崎は曲世から電話があり、「正崎さんに、会いたいなぁ」などと言われ事故の音だけを耳にしてしまいます。
曲世愛の個人情報はDF室の水戸荷から入手
第4話のラストと第5話のアバンで正崎がPCで見ていた曲世愛のカルテはDF(デジタルフォレンジック)室の水戸荷情報解析官に依頼し入手したものだと分かりました。
筒井警部補から「中学時代に事件を起こしていた」とも正崎は報告を受けており、中学時代にカウンセリングを行った医師の坂部蔵主と会い話を聞くために京都へ瀬黒陽麻と共に行きました。
「これまで曲世愛と直接接触し自殺してしまった3人は彼女にに惑わされたのか?」と瀬黒陽麻は疑問を口にします。
3人が曲世愛と会った時間はそれぞれ以下のように作中で語られました。
- 因幡:長時間だが不明
- 奥田:1時間
- 文緒:15分
正崎と共に曲世愛の調書を執っていた奥田事務次官が1時間なので、席を少し外していますが、正崎も1時間未満彼女と共に時間を過ごしていたことがわかります。
そんな聴取の様子を思い出し正崎は曲世愛を「一言で言えば…最悪の女だった」と評します。
曲世愛が起こした中学時代の事件は、『ない』
正崎と瀬黒は京都の山科にある坂部診療所を訪れ、曲世愛の叔父である坂部蔵主と会い、彼女の話を聞くことになります。
はじめに坂部から曲世愛とは叔父の関係ではあるが兄の養子であり、血の繋がりがないことがわかりました。
曲世とは母方の性で、叔父である坂部が初めて曲世愛と会ったのは7歳のころだったと言います。
8年前栃木でメンタルクリニックを経営していた坂部は兄と曲世愛が通う中学校の教師から『精神診断』を同時に依頼されました。
中学校で起こった事件は坂部からは『ない』というほうが適切だと語ります。
7人の生徒は全般性不安障害を患っていましたが、本人たちは「愛が怖いのだ。愛に酷いことをされたのだ。愛に犯された」と言うのでした。
しかしそんな事実は一切なく、ただし曲世愛と話しをしただけでした。
ただそれだけのことで7人の生徒は曲世愛に魅了されてしまいました。
事実を確かめるために坂部は直接曲世にカウンセリングを施そうとしましたが、坂部は一目見ただけで2、3年かぶりに会った曲世愛に魅了され、欲情してしていたと語ります。
「こればっかりは説明しろと言われてできるものじゃないんだよ」と曲世愛の虜となった感覚を表現しています。
それでも坂部は言葉を尽くし「それは15歳の愛が過度に、過当に、限度を超えて魅惑的であったからだ」、「着けすぎた香水のように」「耳元で拡声器を使って、怒鳴り散らされるように愛が無理やり入ってくる」という感覚をまさに強姦だと言うのでした。
そして坂部は曲世愛に定期的なカウンセリングを受けるように指示すると、無意識にまき散らす魅了の力によって「人とうまく話せない」という悩みを持っていた曲世愛は承諾。
治療は半年間続きますが、曲世愛から受験勉強に専念するため治療の終了を申し出されたとのこと。
結局坂部は曲世愛の治療の終了を受けて事件が起こったことを危険視したのではなく、自分が曲世愛に会い続けたいがために治療を行っていたことに気づいてしまいます。
悪の道に誘われた罪悪感から栃木の病院をたたみ、京都の山科にまで「逃げてきた」と坂部は語り昔話は終わりました。
話を聞き曲世愛は一時保留に
坂部の話を聞き、帰りの駅のホームにて「曲世愛がある種の影響力を持っていることは間違いないが、64人もの人間を同時に自殺に追い込めるとは思えない」と正崎は語り、「曲世の件は今日で一旦保留だ」と瀬黒に告げます。
正崎剣道で憂さ晴らしを受ける
正崎は特別捜査本部にて以前正崎が64人が一度集まっていた可能性があると推測してましたが、実際には庁舎から10km圏内で散り散りになっており、正崎の推測が外れ当日現地集合していたことがわかりました。
しかし国道16号線沿いに中途半端に集まっており、正崎はそのことが気にかかっており、捜査が難航していました。
そこで気晴らしに捜査一課管理官の寅尾太隈が正崎を剣道場へ誘い、寅尾と試合を行った後、正崎は瀬黒にまで打ちのめされてしまいました。
実は瀬黒も4段の有段者で初段の正崎よりも実力がありました。
乱れた息を整えようとする正崎の元に瀬黒が歩み寄り、「私は良くない仕事を要求されていると思っていました」と言い更に「でも今は違うのかもしれないと感じています」と心情を吐露しますが、それを聞いた正崎が「違わない。君の認識は正しい。俺達は今、悪事の一部に加担しているし、違法性を含む行為にも手を染めている。そしてこれからはこれまで以上の悪事を成すことになるだろう」と否定します。
そして瀬黒は正崎に「あなたにとって、正義とは何ですか?」と問いますが、正崎は「わからない」と答えるのでした。
それから「正しいとは何かを考え続けることだ。たとえいつか答えにたどりついたとしても、そこで考えるのをやめないことだ。正義とは何かと掴んだと思った後も、正義とは何かとずっと永遠に問い続けることだ。正義とはそういうものなのだ」と正崎は言うのでした。
斎開化からの宣戦布告
域議選挙まであと3日に迫ったところで、TVメディアNHCに文書によるメッセージが届き、これが報道されました。
NHCは新域で起きている問題について国から規制を受けていますが、流す事が野丸の利益になると判断され報道が行われたと正崎は推測しています。
斎開化からのメッセージは以下にまとめました。
- 公開討論を行うという提案
- 日時は投票日の前日、10月19日午後6時
- 場所はNHCスタジオ
- 生放送で全国に全世界に中継されることを希望
- 自殺法賛成派の代表として斎開化自らが出席
- 反対派は何人参加しても構わない
- 候補者の声が正しく伝わること
曲世愛からの突然の電話
斎開化の声明を受けて、特別捜査本部は現時点では自殺教唆の証拠が揃っておらず、斎開化が姿を現しても正式な逮捕に踏み切れずにいました。
「強制的に適当な罪状で逮捕してしまえばいい」、「想定済みですぐに保釈手続きをしてくるに決まっている」、「拘留期限内でなんとかなるだろう」、「世論が黙ってはいない」「だがその証拠がない」と揺れる特別捜査本部のメンバーでしたが、正崎が「捜索班を2名に縮小。残りは人員は全て罪状班とし、斎のテレビ出演までの残り時間で、自殺教唆の証拠を上げるぞ。公開討論まで48時間ある。その間に必ずだ」と指示を飛ばし本部の意志を統一しました。
しかしそこで正崎の元に筒井警部補から電話があり、それに応じると「もしもし、正崎さん?」と曲世愛が問いかける声がするのでした。
曲世愛と話しをしながら正崎は瀬黒に筒井警部補の携帯のGPSをたどるようにメモで指示します。瀬黒の調べでは現場は第3京浜港北インターのすぐ傍とのこと。
そして曲世愛は正崎の「筒井はこの電話の持ち主はどうした?」という問いかけを無視して「ねぇ正崎さん?ゲームってなさいます?」と話しかけます。
曲世愛は自分をRPGの勇者に例え語ります。
曲世:「ゲームの中で私は勇者になります。
魔王に支配された世界で勇者はほんの数人の仲間と共に、時には一人っきりで魔王の軍勢に立ち向かうの。
世界を救い人々を幸せにするそのために。
なのに支配された民衆は誰一人として魔王に立ち向かおうとしない。
勇者は世界を救うために命懸けで戦っているというのに。
それでも勇者は世界を救うの。
誰も助けてくれなくても誰も分かってくれなくても。
ただ人間の幸せのために。
正崎さん?そういうものに私はなりたいの」
しかし正崎はお前はなれないと否定し、人殺しだと告げますが、そんな言葉に曲世愛は動じず正崎の制止を無視して「正崎さんに、会いたいなぁ」という言葉を最後に電話からは事故の音だけが響き渡るのでした。
バビロンは3つの章毎に主題歌が変化する
調べてみるとバビロンは全部で第3章まであり、各章でQ-MHz(キューメガヘルツ)による主題歌が変わるとのことです。
ということは、第2章が終わるときに今起こっている事件の何かの真相がわかり次の話に移るということですよね?
Q-MHz(キューメガヘルツ)とは?
https://t.co/xXe5UZSFN4 畑亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也からなるプロデュースチームQ-MHzのオフィシャルHPできました!これまでの提供作品もチェックできます。振り返りにもぜひ!お仕事ご依頼は専用フォームから!
— Q-MHz (@QMHz_info) December 12, 2018
音楽業界で幅広く活躍する畑 亜貴、田代智一、黒須克彦、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)が“より良い音楽を積極的に”をモットーに結成した最強プロデュースチーム。2016年1月に1stアルバム「Q-MHz」をリリース(ボーカリストとして小松未可子、鈴木このみ、東山奈央、南條愛乃、LiSAをフィーチャー)。以後2016年アニサマテーマソング制作、バンドじゃないもん!、田所あずさ、井口裕香、May’nへの楽曲提供、小松未可子全面プロデュースを行うなど、業界の裏方として大暴れ中。